その決断に「痛み」はあるか?映画『フロントライン』が教えてくれたリーダーの資質

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映画『フロントライン』を観ました。 コロナ禍のクルーズ船という、逃げ場のない極限状態(フロントライン)。そこで未知のウイルスと対峙する人々の姿に圧倒されましたが、私の目はある一人の登場人物に釘付けになりました。

それは、窪塚洋介さん演じるDMATの医師、仙道です。

仙道という男

この仙道という男、とにかく「スマート」なんです。 修羅場のような現場でも決して声を荒らげず、常に飄々(ひょうひょう)として冷静。しかし、ただ静観しているわけではありません。 現場の混乱を抑え、部下や他部署との摩擦が生じたときには、「言うべきことは、相手が誰であってもちゃんと言う」。その言葉には鋭さがありながらも、決して相手を不必要に傷つけない知性があります。

管理職として働く私にとって、彼はまさに理想の具現化でした。 「自分はこういう判断ができているだろうか?」 スクリーンの中の彼を見ながら、色々考えさせられました。

話を聞いている「つもり」になっていないか

私は普段、管理職として「部下の意見を吸い上げる」ことを意識しています。下からの意見はだいぶ汲み上げているつもりでしたし、風通しの良い職場を作れているという自負もありました。

しかし、仙道の姿を見て、その自信が揺らぎました。 彼は単に「聞く」だけでなく、「その場その場で、瞬時に最適解を導き出し、スマートに対応する」のです。 予期せぬトラブルが起きたとき、私は彼のように動じず、かつ的確に、現場を守るための言葉を発せられているだろうか? ただ「話を聞く」ポーズをとるだけで、土壇場の判断や、矢面に立つ覚悟が甘かったのではないか――そう痛感させられました。

決断の痛みと、これからの目標

タイトルの「その決断に『痛み』はあるか?」は、映画を通じて自分自身に問いかけた言葉です。 安全地帯から正論を振りかざすのではなく、現場の痛みを知り、その痛みを背負った上で、冷静に指示を出す。それが仙道の凄みであり、私の目指すべき姿です。

今の私には、まだ彼のようなスマートさはありません。 しかし、これからは心の中に「仙道さん」を住まわせたいと思います。 何かが起きたとき、「仙道ならどう動くか?」「今、言うべき言葉は何か?」を問いかけながら。 冷静で、でも言うときはちゃんと言う。そんな「頼れる船頭(せんどう)」を目指して、また明日から現場に向き合いたいと思います。

他にも

この映画は、単純な善悪の話ではありません。それぞれのキャラクターが、私たちが普段仕事で直面する「葛藤」を体現していました。

指示を出す側の「痛み」:結城(小栗旬)

DMATの指揮官として、船の外から指示を出す結城。 彼はかつての戦友(仙道)や部下を危険な船内に送り込まなければなりません。印象的だったのは、安全な場所にいる自分への負い目と、それでも非情な決断を下さなければならない「指揮官の孤独」です。

組織の論理という「壁」:立松(松坂桃李)

厚労省の官僚である立松は、医療の論理よりも「国益」や「法」を優先し、現場と対立します。 一見、冷徹な悪役に見えますが、彼もまた板挟みの中で戦う組織人です。私たちも時に、会社の方針として、現場の思いとは裏腹なことを言わなければならない瞬間があります。彼の姿は、「組織人としての苦渋」そのものでした。

現場の献身と「恐怖」:真田(池松壮亮)

そして、家族を残して船内に飛び込む若き医師、真田。 彼が抱える「感染するかもしれない」というリアルな恐怖と、それでも目の前の患者に向き合う献身。 私たちの部下もまた、口には出さずとも、現場で様々なプレッシャーやリスクと戦っているのだと思い知らされました。この「現場の献身」の上に、私たちの仕事は成り立っているのです。実はうちのかみさんも医療事務をしているので結構当事者よりでした。千葉だし、かなり身近な話題だったけどやはりどこかで対岸の火事的に感じていたのを思いだしました。本当に風評被害がひどかったですよね。よく折れずに頑張っていただいたと思います。

どの立場の人が欠けても成り立たない、組織力というものも感じました。

船内クルー:羽鳥(森七菜)、TV局の記者・上野(桜井ユキ)もいい味出してるし他にも豪華キャストが出てきますので是非見てみて下さい。

そして、感想等教えて頂けると嬉しいです。

see you soon.

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