実は5日前にも飛んでいた!?日本人初飛行の日の意外な裏話

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✈️ 12月19日は日本人初飛行の日

1910年(明治43年)の今日、東京・代々木錬兵場(現在の代々木公園)で、徳川好敏大尉が日本初の動力飛行に公式に成功しました。飛行時間は約4分、高度70m、距離3000mの記録でした。

ここでタイトル回収すると

公式記録は12月19日ですが、実はその5日前の12月14日に、もう一人のパイロット・日野熊蔵(ひの くまぞう)大尉が、滑走練習中に誤って(?)浮き上がり、飛んでしまったという記録があります。しかし、これは「飛行実施予定日ではなかった」ことや「距離が短かった」ことから公式記録にはなりませんでした。

では、日本人の空にかけた思いを紐解いてみましょう

日本人初飛行の日

今からちょうど115年前、2025年から遡ること1910年(明治43年)の今日。 日本の空を、日本人が操縦する飛行機が初めて「公式に」飛んだ日なんです。

場所は、現在の東京都渋谷区にある代々木公園(当時は代々木錬兵場)。

今日は、この歴史的な一日と、その頃世界ではどんな「空の熱狂」が起きていたのかを、少しタイムスリップした気分でご紹介します。

記録は「4分間」。でも、偉大な4分間

1910年12月19日。 多くの観衆が見守る中、陸軍の徳川好敏(とくがわ よしとし)大尉が乗り込んだフランス製の複葉機「アンリ・ファルマン機」が、ふわっと宙に浮きました。

その時の公式記録がこちらです。

  • 飛行時間:約4分
  • 最高高度:70メートル
  • 飛行距離:3000メートル

「えっ、たった4分? 高さはビル20階くらい?」

現代のジェット機に慣れた私たちの感覚からすると、ほんの少しの「ジャンプ」に思えるかもしれません。

でも、想像してみてください。 それまで誰も見たことがない鉄の塊が、エンジン音を響かせて空中に浮かんだのです。当時の人々にとっては、まさに魔法を見るような、腰を抜かすほどの大事件でした。このたった4分間が、日本の航空史の輝かしい第一歩となったのです。

その頃、世界は「空前の飛行機ブーム」だった!

さて、日本がようやく空への第一歩を踏み出した1910年。                  世界、特にヨーロッパの空の状況はどうだったのでしょうか?

時計の針を少し戻しましょう。 人類が初めて動力飛行に成功したのは、ご存知ライト兄弟1903年のアメリカでの出来事です。

日本の初飛行は、そこからわずか7年後のことでした。

この「たった7年」の間に、欧米ではとんでもないスピードで飛行機の進化が進んでいたんです。

  • ライト兄弟の衝撃から数年後、ヨーロッパでは飛行機開発競争が勃発。
  • 1909年(日本初飛行の前年)には、ルイ・ブレリオという人がドーバー海峡(英仏海峡)の横断飛行に成功!これは当時の世界を熱狂させました。
  • 各地で「飛行競技会」が開かれ、スピードや距離、高度を競い合う、まさに「空のF1」のような状態だったのです。

つまり、日本が初飛行を成功させた頃、世界はすでに「飛べるかどうか」の実験段階を終え、「より速く、より遠くへ」という実用化・記録更新のフェーズに突入していたんですね。

徳川・日野両大尉も、そんな熱気渦巻くフランスやドイツに留学し、最新の技術を必死に学んで持ち帰ってきたエリートたちでした。

ライト兄弟の初飛行から10年も経たないうちに、極東の島国である日本が自国のパイロットで空を飛んだというのは、当時の世界のスピード感から見ても、かなり頑張った成果だったと言えるのではないでしょうか。

おわりに

115年前の今日、代々木の空を見上げていた人々は、まさか将来、私たちが当たり前のように飛行機に乗って海外旅行に行ったり、宇宙にまで行ける時代が来るなんて、想像もしていなかったでしょう。

今日の帰り道、ふと空を見上げたら、あの日の徳川大尉や日野大尉の勇気、そして当時の人々の驚きと興奮に、少しだけ思いを馳せてみませんか?

きっと、いつも見ている空が、少し違って見えるかもしれません。

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