1985年公開の映画『グーニーズ』
ファミコンのコントローラーを握りしめ、Bボタンダッシュで駆け抜けたあの日々。テレビから流れるシンディ・ローパーの『The Goonies ‘R’ Good Enough』に胸を躍らせた記憶。
私たちアラフィフ世代にとって、この映画は単なる「冒険映画」ではありません。それは、自転車ひとつでどこへでも行ける気がしていた、あの頃の夏休みそのものではないでしょうか。
「懐かしいなあ」だけで終わらせるのはもったいない。
実は、人生の折り返し地点を過ぎた今だからこそ、この映画は驚くほど深く、私たちの心に突き刺さるのです。
今日は、大人になった「元・少年少女」たちが、今夜『グーニーズ』を観返すべき3つの理由を綴ります。
1. 「データ」が教えてくれる、人生の逆転劇
当時の私たちのお気に入りは誰でしたか?
喘息持ちのマイキー、お調子者のマウス、食いしん坊のチャンク……そして、万能フックや奇想天外な発明品を駆使するデータ。
そのデータ役を演じたキー・ホイ・クァンが、長い不遇の時代を経て、2023年にアカデミー賞助演男優賞を受賞したニュースは、同世代の私たちにとってあまりにも衝撃的で、感動的な出来事でした。
かつての子役スターが、仕事がなくなり、裏方に回り、それでも夢を捨てずに50代で掴んだ栄光。
映画の中で、何度もピンチを切り抜けたデータが、現実世界でも「人生のブービートラップ」を乗り越えてみせたのです。
今、画面の中で無邪気に笑うデータの姿を見ると、ただの懐かしさとは違う、熱いものがこみ上げてきます。彼の姿は、日々戦う私たちへの「人生、まだまだこれからだ」というエールそのものです。
2. 親になって初めてわかる「家の重み」
子供の頃は、マイキーたちが冒険に出るワクワク感しか目に入りませんでした。
「海賊の宝を見つけて、借金を返せばいいじゃん!」と、単純に考えていたものです。
しかし、自分が親になり、家のローンや家族を守る責任を知った今、視点は大きく変わります。
立ち退きを迫られ、必死に荷造りをするマイキーの母親の背中。
弟や仲間を守ろうと奔走する兄・ブランド(若き日のジョシュ・ブローリン!)の責任感。
「子供たちの居場所を守りたい」という大人たちの切実な願いと苦悩が、痛いほど理解できるのです。
だからこそ、彼らが宝を見つけた瞬間のカタルシスは、子供の頃の何倍にもなって押し寄せます。
3. 「スマホがない」冒険の贅沢さ
劇中には、GoogleマップもGPSも登場しません。
あるのは、屋根裏で見つけた古びた地図と、謎のスペイン金貨、そして頼りになる自転車(BMX)だけ。
わからないことは図書館で調べ、連絡手段は公衆電話か大声で叫ぶこと。
すべてがアナログで、不便で、泥臭い。
でも、便利になりすぎた現代社会に生きる私たちは、その「不便さの中にあった自由」を猛烈に羨ましく思うはずです。
指先ひとつで答えが出ないからこそ、仲間と知恵を出し合い、体を張って前に進む。あの頃の風の匂いまで思い出させてくれるのが、『グーニーズ』の魔法です。
“Goonies Never Say Die”
映画の中の合言葉、「グーニーズは決して死なない(弱音を吐かない)」。
子供の頃は、単なる強がりの言葉に聞こえたかもしれません。
しかし、様々な経験を経て大人になった今、この言葉は人生の哲学として響きます。
仕事で失敗した時、日常に疲れた時、自分を見失いそうになった時。
心の奥底にいる「少年時代の自分」が、この言葉を囁いてくれるはずです。
今夜は、久しぶりにアストリアの地下洞窟へ戻りませんか?
お酒(できれば当時の憧れだった「コーラ」や、大人らしく「ハイボール」)と、ポテトチップスを用意して。
エンドロールが流れる頃には、きっと明日を生きる活力が湧いているはずです。
だって、私たちはいつまでも「グーニーズ」の一員なのだから。
#シンディ・ローパー – The Goonies ‘R’ Good Enough
ファミコン「グーニーズ」←これはまってた(今風だと沼ってた)人多いんじゃないですか?

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